第20回 日立財団科学技術セミナー
2024年11月30日(土)オンライン開催
11月30日(土)、第20回の日立財団科学技術セミナーをオンラインで開催いたします。
今回は、疲労のメカニズム解明、うつ病の原因遺伝子SITH-1の発見、新型コロナ後遺症の原因の究明など多くの業績をあげておられる疲労研究の第一人者、近藤一博先生を講師にむかえお話いただきます。
詳しい内容、参加申込みは下記をご覧ください。多数のご参加をお待ちしております。
本セミナーは終了しました。
後日、アーカイブ配信を予定していますのでしばらくお待ちください。
疲労は多くの疾患の原因となる重要な現象ですが、そのメカニズムは良く分かっていませんでした。我々は、疲労の正体を明らかにするために、ヒトの体内に潜伏して疲労と非常に密接な関係を持つヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)というウイルスを詳しく調べました。
HHV-6は、疲労に反応して唾液の中に出てくるのですが、この引き金になる物質を調べることで疲労の原因がeIF2αという物質であることを見出しました。また、HHV-6が産生しているSITH-1というタンパク質がうつ病を引き起こすことを発見しました。このSITH-1によく似たタンパク質は、新型コロナウイルスも持っており、これが新型コロナ後遺症を引き起こすこともわかりました。
この講演では、ウイルスを通した疲労のメカニズムについて説明することで、疲労やウイルス研究の面白さをお伝えしたいと考えています。
近藤 一博(こんどう かずひろ)氏
東京慈恵会医科大学 疲労医学講座 特任教授
三重県津市生まれ。1985年、大阪大学医学部卒業。1991年、大阪大学微生物病研究所助手。1993〜1995年、スタンフォード大学留学。1996年、大阪大学大学院医学系研究科・微生物学講座助教授。2003年東京慈恵会医科大学・ウイルス学講座教授。2021年より東京慈恵会医科大学疲労医科学研究センターセンター長を兼任。ヒトヘルペスウイルス6(HHV‐6)の潜伏感染・再活性化機構を解明したほか、生理的疲労のメカニズムの解明、うつ病の原因遺伝子SITH-1の発見、新型コロナ後遺症の原因の究明など多くの業績をあげる。
著書